一人法人の社長でもある川島和秀の日々の活動記録です。

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商品・サービスの値付けの難しさ~安ければ売れやすいわけでない~

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値段がない商品に値段をつけるのは難しいです。

 

値付けにはある意味、経験が必要だと感じます。

 

一般論だと値段を安くすると売れると思う人が多いと思います。が実際は違います。値段を高くしても逆に売れることがよくあります。

 

その理解がないと、売るためにひたすら値段を下げるということをやってしまいます。

 

そして値段を下げるとドンドンやる気を失い、最終的には「ほぼ無料」でやっているようなものだからと、商品の質が劣化していきます。

 

購入した顧客も期待しているサービスを受けられなくなり、リピートしなくなります。

 

負のスパイラルになります。

 

そんなときに適正な利益がでる値段まで上げればいいだけですが、「安い=売れる、高い=売れない」をいう先入観に支配されているため、値段を上げるということができないわけです。

 

 

「安い=売れる、高い=売れない」は間違っているのでは?と一般論を疑う必要があります。

 

そのことを具体例をもって説明していきます。

 

値付けの本質は「わらしべ長者」

 

わらしべ長者は、ほぼ無価値でどこにでもある藁(わら)を、緊急にどうしても欲しい人に出会って、より高額な物へと交換し、最終的に藁が家になります。

 

ざっくりのわらしべ長者の流れは以下です。

 

正直だが貧乏で運に恵まれなかった若者が、あるお寺で観音様に祈ったところ「寺を出て最初に手にした物を持って歩いていけ」とのお告げを受ける。

その若者が寺の門を出たとたん、石につまづいて転んだ際に手にしたのが1本の藁(わら、わらしべ)。

若者はお告げ通りに藁を手に持ち、困った人を助けながら歩いていくと、その藁がみかん ⇒ 絹の布 ⇒ 馬 ⇒ 家へと交換され、やがてお金持ちになるというお話。

 

出典:https://www.yamahiro.org/blog/26065/

 

何も考えずに、わらしべ長者を読むと、正直者は救われる的な話に見えてしまいますが、本質は違います。

 

経済の本質というか核心が描かれていると私は思っています。

 

物・サービスの価値は、それを欲する人とその人がおかれている環境によって変わるということです。

 

わらしべ長者は、常にもっている物を、「それがどうしても緊急に欲しい状況にある人に出会い、交換する」ことでお金持ちになっています。

 

この原理を値付けに転用すれば良いわけです。

 

値段を安くする行為は、いらない人に強引に買ってもらおうとする行為

 

商品・サービスをどうしても欲しい人は、自分の買える範囲でなら、どんなに高くなっても買うと思います。

 

逆算すれば、安くしても物が売れないのは、欲しいと思っていない人が多いとも言えます。

 

イメージとしては駅前で広告の入ったティッシュを配る行為です。

 

ただであげる!とティッシュを配っているのに、多くの人が受け取りません。いらないからです。

 

これが花粉症で鼻水をたらしまくっているビジネスマンがいたらどうなるでしょうか?おそらく大量に受け取ると思います。

 

その鼻水をたらしまくったビジネスマンが、コンビニ行く時間もなく、大事な面談を控えている状態なら1000円で買うかもしれません。

 

時間があれば、少なくてもコンビニまでティッシュを買いにいく必要があります。そして買うでしょう。

 

つまりは、一方では無料でもらえるティッシュが、コンビニではお金を出さないと買えないわけです。

 

ある意味でわらしべ長者現象が現代社会においても起きていると言えます。

 

 

商品・サービスの特徴を理解して、欲しい人に向けて値付けをするのが良い

 

値段をつけるうえで大事なことは、その商品・サービスを欲しい人を想定してすることに思えます。

 

欲しくない人に、強引に売れる値段ではありません。

 

つまりは駅前でティッシュを配るような行為をしてはいけないということです。(物を安く売るという行為はしてはダメという意味。)

 

鼻水をたらしているビジネスマンなら、いくらで買うだろう?を想定して値段をつけるわけです。

 

それができるようになるには、自分の売る商品・サービスの特徴を深く理解していないとできません。

 

ティッシュには鼻をかむという用途・特徴があるということを理解し、どういう人が鼻をかむのか?を逆算することで、鼻水をたらしたビジネスマンに売ればいいと気が付くからです。

 

「その程度のことはわかっとるわい!」と思う人が多いと思いますが、実際にそれができているか?というとできていない人の方が多い印象を受けます。

 

理屈では理解できていても、生活に余裕がなければ、安くてもいいから、とにかく売りたいという考えになるのが通常です。

 

そんなときにわらしべ長者を思い出し、欲しい人に物を売るアプローチがでてきているか?を再点検すると良いと思います。

 

具体例:メルカリで値段を上げたら、売れたケース

 

フリマアプリで物を売っていると、値段を安くすれば物が売れるわけではないというのを実感できます。

 

以下具体例です。

3000円の洋服を新品でメルカリで売るとします。(定価5000円)

 

5000円の新品の服を3000円売るのだから売れるだろうと思っていたら売れません。

 

安くしようと1日に100円づつ値下げをしてきます。

 

10日経って3000円でも安いとも思える洋服が2000円になっても売れません。

 

それどころか、2000円になると「1500円にできませんか?」などの値下げ依頼がチョイチョイ来るようになります。

 

めんどくさ!それならどうせ売れないなら3500円くらいにして放置してみようと3500円で出品し直します。

 

すると、3500円で即売れしました(@ ̄□ ̄@;)!!

こんなことが頻繁におきます。

 

こういう現象がおきるカラクリは本当に買いたい人が商品を検索してくれたか?だと思っています。

 

メルカリでは、よく検索ワードを羅列して、まったく商品とは関係ないキーワードに商品が表示される行為をやっていますが、やっていることは駅前のティッシュ配りと同様です。

 

欲しくない人に、どうぞとティッシュを配っているだけです。

 

そうではなく、上で上げたティッシュの例で言えば、鼻水をたらしているサラリーマンが現れるのを待ち、その人に高い値段で買ってもらえばよいわけです。

 

もともとは5000円の新品の洋服を3000円で売っているわけなので、どう考えも割安でお得です。

 

欲しい人なら即買いしておかしくありません。

それが値段を上げても売れる理由になります。

 

一方で、欲しくない人からすれば3000円で高いわけです。そのため、安い価格2000円で売っていたとしても、もっと買い叩いてみようという行動に出るのだろうと私は分析しています。

 

誰をターゲットにして値段を設定するか?がとても大事と思います。

 

比較対象がないサービスの手数料はさらに値付けが難しい

 

上であげた例は、洋服でしかも定価5000円と言う目安がありました。

 

そのため3000円や3500円で売れば売れるだろうという予想が可能です。

 

が、他に比較できないサービスだとこの値付けが困難を極めます。

 

そのときに、今まで説明してきたような値段と商品が売れるカラクリの理解がないと、利益をかぎりなく0にするまで値段を下げるということがおきます。

 

比較するのは、各自が〇〇円の利益ならギリ納得できるというレベルの価格です。

 

通常は、そのレベルまで簡単に値段を下げる人が大半です。

 

要は利益が1000円なら満足するという人は利益が1000円になるまで値段を下げるわけです。

 

が、買う人は値段を下げなくても買っている可能性が高く、値段を下げているのは自己満足である可能性が高いと私は思っています。

 

比較ができないサービスでも、むやみに値段を下げずに適正な価格で価値を感じてくれる人に売れれば良いというスタンスで値段を決めることを意識する必要があると思います。

 

 

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