電子定款作成に必要な行政書士電子証明書(セコムパスポート)の申し込み方法
行政書士の業務の一つに会社設立に必要な定款の作成があります。
定款とは、その会社独自のルールが決められたルールブックです。
↓こんなやつです。
出典;freee会社設立
法律上は法人≒人として扱われます。但し、この定款に定められた範囲で権利を認める!という建付です。
ゆえに、理解がないと軽視しガチですが、法人にとっては極めて重要なものになります。
その作成が行政書士業務の一つにあります。
その定款を作成する際に、書面で作成すると収入印紙で4万必要になりますが、電子で作成すると印紙を納める必要がなく0円になります。
よって、定款を作成するなら電子定款で作ろうとなるわけです。
が電子定款を作成するには、作成した人が「確かにその人本人である」という電子証明書を取得しておく必要があります。
それが、セコムトラストシステムズ(株)さんが提供する行政書士電子証明書(セコムパスポート)なわけです。
今回は私が自身が申し込んでみたので、やり方をご紹介します。
その前に、定款作成の注意点について、少し説明します。
目次
定款作成の注意点とは?
定款には必ず載せなければならない絶対的記載事項と任意に記載できる任意記載事項があります。
絶対的記載事項は以下の6点です。
・事業目的
・会社の商号
・本店の所在地
・資本金の金額
・発起人の氏名と住所
・発行可能株式総数の6点
また開始する業務に許認可が必要な場合は、事業目的に相当する記載がないと、許認可が下りないため、事業目的に記載があるか?の確認が必要になったります。
定款を変更する場合は、議決権の過半数を有する株主が出席する株主総会で、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成を得る必要があります。
株主が1人であれば良いですが、利害関係を含む多数であった場合は、簡単には定款変更はできなくので注意が必要です。
加えて、定款を変更に関して、3万の登録免許税も発生します。
定款作成にも会社法の知識が必要になります。
適当にネットで文章を拾って、それらしいものを作成したとしても、上記を一例とする諸々の条件を満たさない場合は無効になりますのでこの点も注意が必要です。
行政書士電子証明書(セコムパスポート)の申し込み方法
以下でざっくりと流れをご説明していきます。
①セコムトラストシステムズ(株)さんのHPへ行く
まずは、セコムトラストシステム(株)さんのHPへ行きます。
↓こんな画面になります。(※2024.9時点)
出典:https://www.secomtrust.net/service/ninsyo/gyosei.html
必要書類を確認します。
・印鑑登録証明書(※発行から3か月以内)
・住民票(※発行から3か月以内)
が必要になりますので、用意しておきましょう。
市役所で取れます。
②申込書を作成
規定・個人情報の取り扱いにチェックした上で、申込み画面へ押します。
出典;https://entry.secomtrust.net/forgid/Gs/Input.do
出典:https://entry.secomtrust.net/forgid/Inp/Input.do
記入は特段に難しくありませんが、注意すべきことは、住民票と同じように書くということです。
住所で、吉田1621番地1であれば、その通りに書く必要があります。
×吉田1621-1のようにしてはダメです。
が、このあたり、官公署に提出する申請書類はだいたいそうなので、行政書士なら間違える可能性は低いでしょう。
確認画面をへて申し込むと振込先が書かれたものが印刷されてきます。
その金額を振り込みます。
③費用の振込
費用は2年または3年での一括前払いです。
3年にしても、特に割引があるわけでありませんので私は2年にしました。
出典:https://www.secomtrust.net/service/ninsyo/gyosei.html
商工会議所まはた商工会に加入している場合は2000円くらい割引きが受けられます。
出典:https://www.secomtrust.net/service/ninsyo/gyosei.html
私は商工会に行ってクーポンおよび証明書をもらってきました。
おかげで、19250円→17050円に少し安くなりました。
その後は、振込明細を控えておく必要があります。
申込書や印鑑証明書等と一緒に送る必要があります。(※コピー可)
↑注意すべきは振込際に、自分の名前の前に、申込コードを入力する点です。(黒で消しているところ)
この申込コードは利用申込書を印字したときに記載されています。
④レタパなどでセコムトラストシステムに書類を送る
最後は上記で集めた・作成した書類をセコムトラストシステムさんに送って終わります。
送るものは、以下です。(※人により、必要書類が増える場合もありえます)
①利用申込書
②印鑑登録証明書
③住民票
④振込明細書
⑤商工会の割引証明書(割引き使う場合)
手続きして利用できるまでに2週間~3週間かかるようなので、利用予定の人は早めに手続きするのが良いでしょう。
※電子証明書だけでは電子定款は作成できないことに注意
電子証明書の申し込みが完了しても、電子で証明したものが私がした!と証明ができるだけに留まります。
電子定款は、PDFに書いた定款に電子署名をすることで完了します。
PDFに書いた定款に電子署名するには、有料版のAcrobatを契約する必要があります。(他のありますが、Acrobatが有名です)
出典:https://www.adobe.com/jp/acrobat.html
少しお高い「Acrobat Pro 」でもかまいません。
一般的に良く使う無料版の「Adobe Acrobat Reader」では電子証明はできませんので注意が必要です。
またお金がかかるんかい!と思いますが、有料版のAcrobat はPDFに編集が可能になります。
書類作成することが多い行政書士にはPDFに直書きや編集ができるのは作業効率が劇的な上がると思うので、必要経費として割って良いと思えます。
※※無料(もしくは低価格)ですべてできる説もある
ネットで情報収集していると、有料のセコムやAdobe Acrobat を使わなくても電子定款作成できるという情報もあります。
(※ご自身で判断くださいませ)
マイナンバーで電子証明ができ、さらにJPKI PDF SIGNERなるフリーソフトを使うと、できるというものです。
確かにマイナンバーはここ数年で利用者が爆増したことから、情報がないだけで、もしかしたら、有料のセコムやAdobe Acrobatはいらないかもしれません。
が、いかんせん情報が少ないです。行政書士が使っているっぽい情報もありません。(2024.9時点)
というわけで、万が一、使えなかったら依頼者に迷惑がかかり、そこからセコムを契約しにいくと2~3週間もかかってしまいクレームになりえます。
そのため、私はとりあえず、お金を払って、セコムを使う方法でやっていくことを選択しました。