【行政書士開業1年目】開業して数年すると紹介制に移行する行政書士事務所が出てくる理由とは?
↑一部の方の営業は鍵のかかった紹介制になってきます。
ちょいちょい先に開業した行政書士さんを観察していると、紹介制に営業方針を切り替えているのを見かけます。
業務が軌道にのって、紹介で売上が立てられるようになったわけではないでしょう。
仕事を獲得できる確率が減っても誰でも彼でも依頼を受けることにリスクを感じたためのリスク管理と私は思っています。
私はこの動きは極めて自然な動きで合理的と思えます。
私自身も開業直後から、完全紹介制ではありませんが、依頼窓口をWEBの問い合わせメールに限定しているため、半紹介制にしているつもりです。
しかも、無料相談やお気軽に問い合わせください等も一切していません。
どちらかというと、私がやることはすべてWEB上に書いてあるので、それを読み込んだうえで、依頼しいた方は依頼してくださいというストロングスタイルをとっています。
さらにアクセス解析もしっかりしているので、どのページを何分見て問い合わせをしたか?なども私は把握しています。
そのうえで、ご依頼者さまがどこまで当事務所のことを理解しているか?を想定した上で対応をしています。
ある意味でHPを読んだ人からしか受注しないという変形的な紹介制をとっているつもりです。
私が思っている、数年すると紹介制に移行する行政書士事務所が出てくる理由をご紹介します。
【前提】そもそもで行政書士は実務経験がない
行政書士は合格率10%の国家試験に合格する必要があり、ある程度の狭き門です。
士業の中では簡単と揶揄されますが、一定の法律知識がないと年間で500時間くらい勉強していても平気で4~5年は合格するまでかかることになります。
決して簡単ではないでしょう。
が、悲しい現実は試験で勉強する内容と実務が乖離していることです。
行政法・民法・憲法・会社法等を一定レベルで習得しているものの、業務ではほとんど使いません。
さらに実務経験を積もうと思っても、そもそもで行政書士の求人はほとんどありません。加えて、少ないながらあったとしても行政書士合格者は採用されないことが通例です。
実務習得目的でバイトに来ているため、実務を覚えれば辞めて、早々にその事務所で学んだ業務で同じ地域で独立する可能性が高いからです。
私自身も身をもって経験しました。以下で体験談をリアルに書いています。気になる方はどうぞ。(一部有料です)
【実体験】行政書士合格者が行政書士事務所のバイトの面接に申し込むとどうなる?バイトに採用されるには?
そんな中で、開業をしなければならないとなると、どうしても最初は手当たり次第、依頼があればとりあえず受けるということをせざるをえないわけです。
私は〇〇〇業務をしたいなどと贅沢は言ってられません。通常は新人の行政書士に依頼などほとんどこないからです。
※私は、自分のやりたい・できる業務をだけを受け、それで依頼がこなければこないで良いというストロングスタイルをとっています。
手当たり次第、業務を受注するリスク
業務経験が乏しい中でガツガツ注文を受けていくと何がおきるでしょうか?
少し想像すれば容易にわかりますが、想定通りに物事が進まずにトラブルになりえます。
トラブルの種類も様々でしょうが、上述したように行政書士は外観上は難関資格を勝ち抜いた法律に詳しい人のはずですが、実際は業務経験がないわけです。
しかし依頼者は「安くないお金を払ってプロに頼んだ」と思うでしょう。開業して間もないから大目に見てあげようなんて思う人は基本いないでしょう。
行政書士側が、超初歩的なミスをしたら、依頼者は「え!何コイツ。こんなこともわからないのに、金取って業務しているの?」と激オコだと思います。
1年~2年かけて業務をひたすら受け続けていたら、どこかでそういう依頼者にであう可能性がでてきます。
「申請書を代行で作成するだけ」だから、手引書をみながらやればできるっしょと思っていると見込み違いになりえます。
ちょっとしたミスで納期が遅れます。
自分の書類を書くなら問題ありませんが、安くないお金をもらってプロとして受注しているわけです。
自分でやることができるけど、急いでいるから行政書士に頼んだという依頼者だったら激オコでしょう。
最悪は高額の損害賠償に発展します。
そのような経験をしたり、リスクをリアルに感じたら、仕事の受注を無差別にガツガツ受けるということをしなくなると思えます。
その結果が紹介制にするというものだと思えます。
大きなミスをしたというツイートをチョイチョイ見かける
開業して1年~2年くらいの人のツイートでたまに見かけるのが、大きな致命傷になりそうなミスをしたというものです。
そうなる理由は、よくわかっていないものをとりあえず受注するというスタンスのために起きるものだろうと推定することができます。
ミスをして当たり前と言えば当たり前ですが、行政書士業界は他の業界では珍しい、上記で説明したような実務経験が積みにくい特殊環境にあります。
わからないながらもとりあえず受注して仕事を覚えていくというのが王道にされています。
が、いつまでもそういうやり方をしていれば、確率的にどこかで大きなミスをして然るべきです。
わからないながらも、とりあえず受注して経験値を上げていくしか方法がないわけですが、わからないながらも調べられることがガッツリと調べておく前準備は必須でしょう。
そこを履き違えで、本当にわからないまま、とりあえず受注するということをやっていると、どっかで致命傷になりうる大きなミスをすることになると思えます。
そういう経験をすると、高確率で紹介制などの閉じた営業になってくると思えます。