【自動車関連業務】車庫証明で書類を申請・受領するだけで報酬取るってあり?
↑郵送物を受け取っている人。
行政書士の自動車に関する業務に車庫証明があります。
車庫証明といっても、業務の受注の仕方は千差万別です。一言で表現できません。
ぱっと思いつくだけでも車庫証明の業務のバリエーションは以下があり、それぞれ厳密には料金(コスト)が異なります。
・書類がそろっていて申請・受領するだけで良い場合
・書類の作成代行もする場合
・現地調査等の調査が必要な書類作成の場合
・不備対応を含めて代行する場合
・即日に申請・受領・返送する場合
それを踏まえて、行政書士としてお金をとって業務を受注するなら、単純に完成された書類の申請・受領するだけを車庫証明業務に抵抗を持つ人もいるでしょう。
何も書類作ってないやん!と思うからです。
行政書士の仕事は書類作成や!とプライドをもつ人なら、特にそのように思いやすいでしょう。
が、私は書類を作成しない申請・受領だけでも車庫証明業務として立派に成立していると思っています。
その理由をご紹介します。
目次
申請・受領だけでも行政書士業務である
行政書士は「代書屋」と言われるように官公署に提出する書類を作成することがメインとされています。
その意識が強いと、だた申請・受領するだけの業務は行政書士業務ではない!と思いやすいです。
が実際は、行政書士法1条3-1に以下のように書かれています。
行政書士が作成することができる官公署に提出する書類を
・官公署に提出する手続
及び
当該官公署に提出する書類に係る許認可等
について代理すること。
※わかりやすいように一部削除しています。
ようは書類を作ることだけではなく、代わりに申請する手続きも行政書士の業務として規定されていると解釈することができると思います。
車庫証明は「早さ」が求められる業務である
次に考えるべきなのは、車庫証明は「早さ」が求められる業務であるということです。
申請したものは、どんな許可でも早く欲しいと思うものが人間です。
車庫証明に限った話ではありませんが、車庫証明にいたっては他の業務に比べて、際立って早さが求められます。
たとえば、古物商許可であれば、許可までに40日程度が予定されています。
その許可が39日後であろうが、41日後にであろうが大きな問題にはならないでしょう。そもそも、いつに許可がおりるのかが明確になっていないためです。
そのため依頼者もそこまで日程には細かくこだわらないでしょう。
が、車庫証明は違います。原則、不備がなければ中2日や中3日など、明確に日数が決められています。
ゆえに、書類の正確さに加えて、日程通りにしっかり業務を遂行するのが当然に求められます。
つまり、日程通りに、受け取って、申請して、受領することが依頼者にとっては、大事なことなわけです。
※日程通りに、受け取る→申請する→受領する→返送するは簡単ではない
書類を作成せずに、ただ受け取って、申請して、受領して、返送することを軽く見る人がいるかもしれません。
がやってみると、簡単ではないことが理解できると思います。
例えば、依頼者から郵送された書類を受け取ることがまず最初にすべきことになりますが、これも簡単ではありません。
ご自身が宅急便等の郵送物を受け取ることを考えてください。
ちゃんと、「最初の」配達で受け取れていますでしょうか?受け取れていない人の方が多いでしょう。
いつ来るか?わからない郵便物を受け取るために、待機していなければならないわけです。
ヤマトなら時間指定できるでないか?と思う人もいるかもしれませんが、時間指定通りに届かないケースもでてきます。
その場合は1日待機することになりえます。
1人事務所であれば、ちょっくらコンビニ行くも、ままならないわけです。場合によっては他人にお願いして留守番をしてもらう必要がでてきます。
ただ受け取るという1点であっても、拘束時間がそれなりにあり、簡単ではないわけです。
人によっては、受け取れず、再配達になり、翌日の申請になるでしょう。
つまり、車庫証明は早さが求められるがゆえに、最短でしっかり受け取れることは付加価値になると考えてもおかしくないと思えます。
逆にいうと、明日の午前中に受け取ってという時間指定での受取は、通常なら割り増し料金になってもおかしくないわけです。
にもかかわらず、それが価格に転嫁されていないのは、おもいっきり価格競争が起きているわけです。
☆個人的な考え:車庫証明は責任の割には報酬が低い
個人的には車庫証明の報酬相場はかなり低いと思っています。
書類の作成や申請・受領だけなら、行政書士の他の業務に比べると簡単な業務に入り、その観点だけから考えると報酬が低くても納得はします。
が、上述したように、業務遂行するのに日程がタイトで、ちょっとしたミスで日程が遅れることが許されにくいという特徴があります。
例えば車庫証明の依頼は、
「明日の午前中指定で書類送るけど、明日中に申請できる?」
みたいに来ます。
できます!と返答して、翌日の午前中にちょっと外出したすきに不在通知が投函されていたらクレームになりえます。
それを防ぐためには、車庫証明を受領するだけで、最悪、こちら側は翌日の午前中を受領待機する必要がでてきます。
こういう実質、半日、外出できない拘束時間の料金はまったく考慮されていないと思えます。
アルバイトをたくさん抱えて、大量に受注するというのが前提の報酬相場になっているようにも感じます。
ある意味で依頼者側が当然と思うサービス内容が、他の業務に比べて極めて高くなっているのが車庫証明と言えます。
行政書士側からみると薄利多売型のビジネスモデルで、責任のわりには報酬が低いというのが私が感じていることです。