一人法人の社長でもある川島和秀の日々の活動記録です。

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「行政書士は食えない」は、あながち間違っていないと思える。

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※開業前に思っている私の印象です。せっかくなので記録しておこうという試みです。

 

行政書士は「食えない」と言われることが多いです。

 

そして「食えない」ということに対して現役の行政書士が「俺、余裕で食えてるけど!」と反論する流れが恒例です。

 

これはどっちもある意味で本当で、問題は「食える、食えない」の定義が曖昧ということだと思います。

 

生々しい話を言えば、「食える=年収〇〇万~」と定義すると、ハッキリしてくると思います。

 

一方で「食える=生活できる」と定義すると、生活できるかどうかは属人ベースの感覚によるため、年収は低くても食えている!ということができます。

 

私の推定・観察している限りですが、

 

①世間一般でいう行政書士は食えない=年収が基準

②現役行政書士がいう食える=生活できるが基準

 

になっていると感じます。

 

ここでは世間一般で言う行政書士は食えない(=年収が基準)で考えると、データとしては、食えなそうです。

 

行政書士は平均売上は約80%が500万以下です。

 

正確にいうと食えなくもないが、平均年収並みです。ちなみに平均年収は461万と言われています。(国税庁のS60~H11の平均)

 

正直、難関資格を合格して行政書士の資格を得て開業した結果が平均年収並みとなれば、ある意味で食えないと言われても仕方がないように思えます。

 

だったら、普通にサラリーマンしてれば良くねえ?と思うからです。

 

詳しく説明していきます。

 

日本行政書士会連合会が作成する「月刊 日本行政2018.10」のデータ

 

日本行政書士会連合会が作成する月刊 日本行政2018.10に行政書士の年間売上高アンケートがあります。

 

人数は4438名で、H30とH25のデータが公開されています。(少し前のデータしか見つけられませんでした。)

 

R4.10月時点で行政書士の人数は5万1000人と言われています。そのうちの約9%である4438名のアンケート結果です。

 

出典;日本行政2018.10

 

グラフにすると下記です。

 

 

 

平均年収が461万と言われているなかで、行政書士は平均売上500万以下が約78%です。

 

気をつけるべきはあくまで「平均売上」です。

 

利益は「売上−経費(費用)」なため、サラリーマンのおける年収にすると一層低下する可能性が高いです。

 

売上を獲得するために、広告費を使ったり、異業種交流会に行ったり、食事会に行ったりと相応の費用が掛かっていることがほとんどと思えます。

 

たぶん行政書士の年収にすれば平均だと400万以下と考えるのが無難と思えます。

 

とある行政書士さんは売上500万獲得するのに、費用が300万かかっているとのことでした。売上=利益=年収ではないという典型例と思います。

 

つまりは全責任をおって必死で毎日働いても年収にすると200万にしかなっていません。かなしいですが、それが現実の一面で、そういう人もいるということです。

 

蛇足ですが、売上(≒年商)を強調する人のカラクリがここにあると思っています。

 

事業をしたことが無い人には、すごそうにハッタリをかますことができますが、実際は稼げていない場合は多いと私は思っています。だから売上(≒年商)を強調するわけです。

 

事業をやっている人は売上(≒年商)ではなく、ナンボ稼げているか?を気にするものです。

 

話を元に戻しますが、つまりはサラリーマンの平均年収461万よりも低い年収400万以下になる可能性が高いと推測することができます。

 

食えないと言われてもある意味でしょうがないと思えます。

 

稼ぎだけで考えれば、サラリーマンを勤め上げた方がよっぽど稼げる確率が高いでしょう。その方が年金・社会保険料も会社が半分負担してくれます。会社によっては退職金や社宅も利用できます。有給休暇もあるでしょう。

 

などを含めるとサラリーマンの実質年収は表面上の年収よりも実際は大きくなるのが通常です。(事業主と比べて)

 

行政書士で食えるという現役行政書士さんが多い理由①

 

※これは完全に私の想像です。

 

年収が500万以下でも、贅沢をしなければ、普通に生活することできると思えます。

 

加えて、サラリーマンと違い、上司もいなれば、嫌な会社内での人間関係に悩む必要もなくなります。

 

仕事時間もある程度は自由に選ぶことも可能です。

 

大きく稼ぐことができなくても、サラリーマンのときよりもストレスがなく仕事ができることで幸せを感じやすいと思います。

 

私の印象だと、独立したい人は大きく稼ぐぜぇ~よりも「嫌な会社から辞めたいから独立したい。独立するために行政書士や!」という人がかなり多いと感じます。

 

収入より自由を選ぶ人が多いと思えます。

 

そのため、収入が下がっても生活ができれば、それで一定の満足を得る人が多い気がします。

 

そういう人に、「食えてないだろ!」と問えば「いいや!食えてるよ。サラリーマンのときよりも充実しているよ!」と高確率で返答するでしょう。

 

それが現役行政書士さんが食えているという理由の一つと私は感じています。

 

行政書士で食えるという現役行政書士さんが多い理由②

 

もう一つ考えれる理由は、行政書士に関連する他のことで売上を上げている可能性です。

 

行政書士の仕事自体では売上500万未満であっても、行政書士全体からすれば稼げている部類に入ると感じます。

 

多くの人が開業すらできないことが多いからです。(集客できない。実務経験ない。などのため)

 

そのため、試験に合格したものの、開業できない人に何らかのコンテンツを販売することで収益が上げている可能性があります。

 

もしくは行政書士受験生に対しての受験指導をするケースです。

 

個人的には、おそらくですが、こういうコンテンツ販売した方が行政書士本来の仕事よりも稼げるような気がします。

 

つまり、こういう行政書士に関連する他のことで売上を上げている可能性があります。

 

ゆえに行政書士の仕事としての売上は低いが、関連した他のことで2次的に売上を上げて、全体ではそれなりに稼いでいるケースです。

 

 

※行政書士単独では稼げる金額は平均年収並みっぽい

 

以上を総合すると、行政書士は思ったよりも稼げないんだろうなという印象を私は思っています。

 

稼げても売上500万未満を想定しておいた方が無難な気がします。

 

私が考えている建設業許可申請にしても1件15万を相場として、年間で20件契約できても売上で300万しかいきません。

 

たぶん年間20件も契約できると、かなりすごい方な気がします。

 

が、売上で300万しかないとなるとちょっと事業としては厳しいと思えます。難易度が高いにも関わらず、リターンが低くコスパが悪いように感じます。

 

行政書士で売上300万なら、実質サラリーマンの月収20万の年収240万に近く、いい年をしたおっさんの年収としては寂しいと思えます。

 

というわけで、ある意味で行政書士は食えないというは合っている気がします。

 

行政書士の求人がほとんどない理由もこの売上の低さから来ると思えます。

 

売上が500万以下なら月10万払うバイトを1人雇うだけで、自分の生活費を込みににしたら家計が赤字に転落し生活が維持できなくなる可能性が高いでしょう。

 

もちろん、属人ベースで結果は大きく異なると思いますが、一般論としてはそういう市場なんだろうと思います。

 

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