一人法人の社長でもある川島和秀の日々の活動記録です。

行政書士試験の複数年受験者がする勘違い。~気が付かないとドツボにハマる~

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↑気が付かないと、時間をかけて進んだ先が行き止まりだったという悲しいことが起きてしまうと思われます。

 

昨日(2022.11.13)に、R4の行政書士試験が行われました。

 

難易度としては、択一問題が若干難しくなり、記述が易しいという傾向のようです。

 

本題に行く前に、R4の行政書士試験についても感想を述べさせていただきます。

 

毎度のことですが、行政書士試験センターは、受験生の裏をかくのが得意でいやらしいなという印象を受けます。

 

受験生は、記述を軽視して、択一で180点以上目指す傾向にあります。

 

ツイッターなどで観察していると、多くの人が記述抜きの択一だけで180点以上を目標に掲げているというのが私の体感です。

 

が、これは裏を返すと、記述は力を入れてやらないということでもあります。

 

その代わりに、肢別過去問集をゴリゴリ回転させて、択一で180点以上を目指すという人が、たぶん受験生に多いと思います。

 

行政書士試験センターはこの裏をかいてきたのだと思います。

 

記述が重視されているのでは?と思える傾向は、昨年であるR3の試験の記述でも垣間見れました。

 

記述は2度とでないから、過去問をやる必要がないという風潮があったように私は感じていました。

 

その裏をかき、行政法の記述ではR1の処分の求めとほぼ同じ条文の中止の求めがでました。加えて、民法の譲渡禁止特約もH29に出題されていたものです。

 

記述の過去問を丁寧にやっていれば、30点前後は取れて当然だったと思えます。(私は過去問記述を軽視していましたが、それでも頭に少し残っていたので26点取れました。)

 

私は行政書士試験の合格を目指すなら、択一で180点以上を目指さすに記述にガッツリ力を入れ、択一170点の記述30点の200点を目指すのが有効だと思っています。

 

なんで180点以上を目指すのではなく200点を目指すかと言うと、行政書士試験の記述はある程度勉強していると30点前後は取れるように設計されていると思えるからです。

 

一方で択一は168~172点くらいを目指し、それ以上は求めない方が良いです。それ以上を求めると司法書士のレベルが必要になると思えます。

 

記述で30点程度のとれ、択一で170点前後取れていれば、記述採点が厳しくなろうが180点以上は十分に期待できると思えます。

 

そのため、択一170点の記述30点の合計200点くらいの目指すのが最も合格しやすくなるところと個人的に感じています。

 

肢別過去問をゴリゴリ回転させるというのが辞めた方が良いと思います。(不合格になりやすい。根拠は下記記事参照)

 

 

以上がR4の行政書士試験の感想でした。以下本題です。

 

複数年、行政書士試験を受験しているにもかかわらず、点数がイマイチ伸びてこない方は、これから説明するようなことを理解しておくと現状を打開する一助になるかもしれません。

 

複数年受験生がする勘違い:勉強時間が増えれば点数が伸びる

 

行政書士試験を初受験して不合格になってしまった場合、「よし、もう1年もあれば、十分に合格レベルまでいくだろう!」と思いガチです。

 

特に、3か月~6か月くらいの勉強して不合格になってしまった場合は、当然に、そういう思考になるでしょう。

 

「3か月~6か月の勉強で不合格になったものの、ソコソコ手ごたえがあった。(比較的短期間の勉強でも点数が伸びた)」と思うからです。

 

が実際には行政書士試験の勉強時間と点数の伸びは私の経験だと以下のグラフのようになります。

 

 

160点までは、比較的簡単に誰でも、短期間にいくことが多い印象です。

 

具体例でいうと、テキスト買って、過去問をある程度やり込むと、160点くらいにはすぐ到達します。

 

やり方が間違っていても、160点くらいまでなら、いく傾向にあります。

 

上のグラフで言えば、ちょうど右肩上がりの直線になっている部分です。(下図参照)

 

 

 

しかし、160点以上に点数を伸ばすことになると勉強時間に比例しないと思った方が良いです。

 

下記の図のところに入ると、勉強しても点数が伸びないということが発生してきます。

 

 

 

 

怖いのが、勉強時間を増やしても点数が下がるということが起きることです。図のイメージ言えば②の状態です。

 

本当にそうなの?と思う方はツイッターやyoutubeで行政書士受験生を探してみると良いと思います。

 

初年度に300時間くらいの勉強で160点とれて不合格になった方は、もう少しやれば180点以上になるという手ごたえを感じるでしょう。

 

不合格になったけれど、短期間でここまでの点数だから、1年やれば合格でしょうと自信満々である様子が確認できることが多いです。

 

が、そういう方の翌年の点数は1年フルに勉強したにもかからず同じく160点前後ということが多いことに気が付くはずです。

 

170点台で不合格になった方であっても、翌年も変わらず170点台もしくは逆に下がって160点台で不合格になったという方を見つけることができるはずです。

 

不合格結果を公開する人は少ないことから、実際は多くの受験生が160点~170点の壁で何年も不合格になっていると推察することができると思います。

 

ひたすら勉強時間を増やせば合格できると思うのは、とても危険だと思います。

 

むしろ、「点数に結べつく勉強を意識して行わない」と長時間勉強しても170点台で止まってしまうリスクすらあると思えます。

 

勉強時間を増やしても点数が伸びなくなる理由

 

勉強時間を増やしても、点数が伸びない理由は、過去問のない問題を勉強する必要があるためです。

 

過去問にない問題となる範囲が膨大になります。

 

イメージ言えば、下記の図の赤の外枠の四角を勉強する必要がでてきます。

 

 

肢別過去問集に代表される過去問だけをやっている場合は以下の赤枠の知識で済みます。

 

 

過去問にでていない知識まで網羅しようとすると、過去問で問われた知識の2倍以上あるといっても良いかもしれません。

 

膨大な勉強時間が必要になります、

 

膨大な勉強時間がかかるにもかからず、過去問以外から問われる知識の問題は合否の決め手になる可能性が高いにもかかわず出題数が少ないです。

 

イメージで下図の赤枠くらいしか出題されません。

 

 

つまり、行政書士試験において、160点以上の領域に足を踏み入れるには、出題される可能性が低い問題を膨大に解いて、理解する作業が求められることになります。

 

具体的には、司法書士試験や公務員試験等の他の資格試験で問われた問題をたくさん解いて、法律を深く理解する努力をしていかねばなりません。

 

一方で、出題される可能性が低い問題を膨大に解くことに時間を割くと、どうしても過去問に出題される基礎的な知識が不安定になってくる場合がでてきます。

 

つまり、出ない問題に時間をたくさん使い、頻出問題を勉強する時間が少なくなるために、イージーな問題を間違え始めることが起きます。

 

これが勉強すれども、点数が伸びない理由で、最悪パターンでは点数が下がるわけです。

 

※過去問で基礎的なことをしっかりやっても合格できない可能性が高い

 

過去問以外をやらないと合格できない的にことを言うと、「そうじゃない!基礎をやれば合格できる!」と主張する合格者が一定数います。

 

そういう人たちの勉強してきた背景を調べてみましょう。

 

宅建を含めた法律系資格の合格者であることに気が付くと思います。

 

一方で何年も170点台までで不合格になる人がいます。どうしてそうなるのか?を理由を考えてみれば、過去問で基礎的なことだけをやっても合格できない人の方が多い事実が浮かび上がってくると思います。

 

詳しいことを知りたい方は最後の私の体験談で詳細に書いていますので、気になる方は参照ください。

 

 

合格率を10%前後にするためには、過去問に出ていない問題を入れる必要がある

 

 

どうして、過去問に出ていない他資格問題までやらなければならないか?というと、行政書士試験の合格率を10%前後にする必要があるために行政書士受験生がちょっとやそっとでは解けない問題が出題される傾向があるためです。

 

もし過去問に出ている問題ばかりが、本試験に出題されたら、どうなることが想像できますでしょうか?

 

平均点がめちゃくちゃ跳ね上がることが予想できます。

 

が、行政書士試験は180点以上が合格と言う明確な基準があります。

 

そのために、記述の点数のことも考慮すれば、確実に択一だけで180点以上取れる難易度ではマズイわけです。

 

その場合は、合格率が30%くらいまで跳ね上がるでしょう。

 

実際に私が受けた2021年のLECの本試験の直前のヤマ当て模試の結果は198点なのに、上位30%程度です。

 

 

 

ある程度、解きやすい問題を作ってしまうと、このLECの模試のように。180点越えがゴロゴロでてきてしまうことが予想されるというわけです。

 

 

ということから、過去問だけをやっている受験生は解けないだろうという問題を一定数出題しないと合格率が10%を維持できないと思われます。

 

 

※160点台から180点以上まで点数を上げるには1000時間以上をかかると覚悟をしておくのが良い

 

以上を踏まえて、複数年受験することになる人は、時間があるから余裕っしょ!とは思わない方が良いです。

 

ちょっと大げさに言えば、160点台から180点以上までに点数を上げるには1000時間以上かかると覚悟しておいた方が良いとも思えます。

 

※180点には大きな壁があることを認識した方が良いと思えるため、あえて極端にしています。

 

どうすれば点数が伸びるか?を試行錯誤しながら勉強していけば、もっと少ない時間で180点の壁を突破できる可能性もあると思います。

 

ちなみに私は、行政書士の勉強を1年目1200時間やって、点数が152点で不合格、2年目1300時間程度の累計2500時間やって、やっと198点で合格となりました。

 

しかも累計2000時間以上の勉強をしても、逆に点数が下がってくることも経験しています。

 

私はLECの公開模試を6回受けましたが以下です。

 

 

 

 

時間が経過するごとに点数が上がるのではなく、どんどん下がっていき、次の以下の模試ではついに180点を割り込み、178点になりました。

 

勉強時間が増えても、点数が下がっていくという私の実体験です。

 

この時期で、単年で1000時間以上の勉強をしており、昨年から累計では2200時間以上は勉強しています。

 

 

このときに必死で勉強方法を見直して、修正しにいきました。

 

 

時期的に8月や9月になっても、ギリギリまで勉強方法を微調整していました。

 

最後の模試では198点でした。が上位30%ということもあり、不合格レベルと思っていました。

 

 

というように最後まで、勉強すれども点数の伸びがイマイチで、合格への手ごたえはほとんどない状態でした。

 

人によって、そんな苦労もなく、点数が伸びる方もいるかもしれませんが、たぶん多くの方が私と同じように苦労するのではないか?と思っています。

 

その時の心構えとして、160点までに行くまでの勉強と、160点から180点以上にもっていくまでの勉強は戦うステージが違うと思っておくのが良いと思えます。

 

このような模試を通じて、必死に勉強法を修正した体験記を以下で書いています。気になる方は参照ください。

 

少しは参考になるかもしれません。(※一部有料です)

 

【行政書士試験】勉強すれども点数がイマイチ伸びない方へ!「正しい方向の勉強をしているか?チェックする方法」のご紹介。

 

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