一人法人の社長でもある川島和秀の日々の活動記録です。

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行政書士試験は肢別過去問集だけで合格することができるか?

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↑これが受験生のバイブル的な肢別過去問集

 

これをひたすら回転することで合格する人がいることから、この肢別過去問集だけをひたすら回転させて合格することができるか?論争が良く起こります。

 

私は2年の受験経験から肢別過去問だけをひたすら回転しても合格は難しいと思っています。

 

正確にいうと他法律資格の勉強や法学部での勉強等で行政書士試験勉強開始前に一定レベルの法律知識のある方なら肢別過去問集だけの回転でしかも短期間で合格可能だと思っています。

 

初学者や一般的な方は肢別過去問集をひたすら回転しても合格は難しいと私は考えています。

 

問題運と記述の運ガチャで自分の知っている問題が多くでる運を引き寄せることができた場合に合格可能だと思っています。

 

具体的に根拠を説明していきます。

 

問題①:肢別過去問集だけでは憲法・民法・会社法が明らかに足りていない

 

肢別だけで合格に足りないという明確な根拠は、民法・憲法・会社法の問題数の少なさです。

 

民法・会社法1000条以上あるのに、毎年民法なら9問、会社法なら4問しかでません。

 

それを過去30年近く遡って過去問を掲載したとしても、出題範囲は明らかにカバーできていません。

 

過去問ではカバーできていない未出題の論点はどうするの?となります。

 

対応できないとR3の行政書士試験のように民法・会社法はできなくてもしょうがない的になって合格が遠のきます。

 

R3の行政書士試験は民法が難しく6問取れればいいほうで、会社法は1問とれればいいほうらしいです。

 

肢別過去問集だけをひたすら回転しているだけなら、民法6問、会社法1問が限界値と思われます。

 

つまりは、少なくても民法・憲法・会社法においては、肢別だけでは不十分であることは明白になっています。

 

↓実際に伊藤塾の平林先生の解法マスターでそういうデータになっていることを説明しています。

 

 

過去問だけだと40%しか得点できないことになります。過去問ででていない問題を正解できないと合格は難しいという事実です。

 

また行政法をほぼノーミスで最低でも17問以上は正解しないと、他科目での挽回は極めて厳しいため、即死(不合格)になってしまう可能性が高いと思われます。

 

相当、合格確率が低い状態で本試験に突入していくことになるんじゃないか?と私は考えています。

 

問題②:試験に対応できる知識までいっていないのに、「全問正解できてしまう」ので実力を誤認する

 

何回か繰り返しやっていれば、肢別過去問の回答を覚えてしまいます。

 

私の感覚だと3回~5回もやれば、80%は回答を覚えたことにより正解にすることができます。

 

受験生時代に何度も勘違いして、ひどい目に合いました。

 

↓例えば行政手続法の聴聞・弁明のところですが、概ね何回やっても正解になってました。

 

 

 

 

がしかし、このような状態でも市販の模試をやってみると結構間違えます。

 

あらゆる分野でこのような現象がおき、私は相当凹みました。

 

手続法完璧だろうと上の図のような状態で模試の手続法をやってもが3問中1問は間違えることが多く、3問正解になることはほとんどありませんでした。

 

要は、本来的な本試験に対応できるレベルまで深く理解するのではなく、「この問題は〇」「この問題は×」という反射で答えてしまうことからだと思えます。

 

いくら、この問題は△△という理由で〇という簡単な理由が言えるようになったとしても、それはいわゆる暗記レベルにしかなっていない可能性が高いと思われます。

 

比較的に過去問の焼き回しに近い行政法でさえ、ひたすら回転させていると、間違えることが多いというのが私の経験です。

 

その経験も踏まえると、肢別過去問集をひたすら回転させるということに意味があるのか?私は疑問を思っていました。

群馬さん

 

同じタイプの問題であっても、別角度から出題された問題をこなすことによって、より本試験で点数がとれ合格レベルへ昇華させることが可能になると私は思っています。

 

そのため、肢別過去問集だけをゴリゴリ回転させるのではなく、一定の正解までできたら、どんどん別の問題集や参考書で多角的に理解する方向に勉強をシフトさせた方が効果的と思っています。

 

問題③:肢別問題集の解説が数行しかないためどうしても暗記になる

 

肢別問題集は紙面の関係上、1問に対して解説が数行しかありません。

 

場合によっては、問題文のオウム返しで、ただ違うとしか書かれていない場合があります。

 

たった数行の解説で法律を横断的に深く理解することは不可能です。できることは、強引に何かしらの理由をつけて覚えることくらいです。

 

がこの強引に何かしらの理由をつけて回答するということをやっても、正確な法律知識の理解につながらなく、ヒッカケ問題がでると面白いように間違う可能性が高いです。

 

本来は、条文・判例に基づいて正解を導くということが正しい勉強だからです。

 

他資格や法学部等で法律に関する知識が相応にあれば、たった数行の解説でも、条文・判例に基づいて正解を導くことが可能です。

 

これが最初に申し上げた、「他法律資格の勉強や法学部での勉強等で行政書士試験勉強開始前に一定レベルの法律知識のある方なら肢別過去問集だけの回転でしかも短期間で合格可能」と言った理由です。

 

が初学者や一般的な人では到底できません。

 

これがいくら回転させても点数が伸びなく合格点に到達できない理由だと私は思っています。

 

つまりは肢別過去問集だけを回転させると暗記にならざると得ないわけです。なぜなら解説が数行しかなく理解のしようがないからです。

 

※肢別過去問集だけではなくて横断的に深く理解できるようにする勉強が必要

 

私は合格するためには、肢別過去問集だけは不十分だと思っています。

 

他法律資格の勉強をした方や法学部の方は別です。

 

他法律資格の勉強をした方や法学部の方は、実質的に行政書士試験の勉強する前に肢別過去問集以外をやり込んでいるのと同様の状態と考えることができるからです。

 

そうではない方は、肢別で基本事項を覚えた後は、基本論点を色々な参考書・問題集を使って横断的に深く理解する勉強をしないと合格までは届かないというのが私の考えです。

 

初学者注意:暗記ダメ!理解することと言うが、肢別ぐるぐるで理解は難しい

 

よく肢別過去問を回転させて、不合格になると、「暗記だからダメ。回転のさせ方が悪い。理解しないと」と言われます。

 

が、どうすると理解できるのか?もしくは、しやすいのか?についての言及がありません。

 

そもそもが上記で説明したように、肢別過去問には解説が数行しかありません。

 

どうやって理解するのか?が一般的な方には高い壁として立ちふさがります。

 

私の経験上、理解するには他の問題集・参考書が必要です。

 

なぜなら肢別過去問集は解説が数行しかないからです。(大切なことなので何度も書きます)

 

肢別過去問集だけで合格するよ!って人は決まって理解しないとダメと言います。

 

がしかし、肢別過去問集だけでは解説が数行しかないため理解ができないということが初学者・一般的な受験生には起きます。

 

肢別過去問集の数行の解説で問題の意図を察知し、条文で言っていることが深く理解できる方なら肢別過去問集だけで合格できるということが理屈です。

 

他法律資格の勉強や法学部での勉強等で行政書士試験勉強開始前に一定レベルの法律知識のある方なら肢別過去問集だけの回転で合格可能だと言うことだと思います。

 

つまりは、初学者・一般的な受験生の場合は肢別過去問だけをひたすら回転しても合格は難しいと思った方が正しい理解となるのでは?と私は考えています。

 

問題④:記述をおろそかにしがち

 

私が観察している限りだと行政書士試験に合格する方は択一で170点前後、記述で30点前後の方が多い印象です。

 

私がツイッターなどで観察している限りです。

 

ここから言えることは、択一だけで180点以上をとるのは、相当、難易度が高いということです。

 

模試で200点オーバーを連発している方であっても、170点前後であることが多いです。(ツイッターで観察)

 

つまりは、記述もしっかり対策しないと合格難易度が高くなる傾向にあるということです。

 

が肢別過去問集を回転させることに注力する方は、総じて記述をおろそかにしがちという印象を受けます。

 

確率的には択一+記述で180点越えを目指すのが最も合格しやすいと思われるが、高難易度の択一だけで180点以上を目指す人が肢別過去問集だけを回転する人には多い気がします。

 

そういう方をみていると概ね、択一170点で記述が8点とかで不合格になってしまっている傾向があります。

 

択一170点で記述一桁で不合格という人は結構多いと思います。

 

肢別だけで合格を目指す方は択一で180点以上というのを目指さずに、記述もやらないと不合格になるという意識をされた方が合格率が高くなると思います。

 

※まとめ:肢別過去問集だけで合格は難しいが、基礎力をつけるにはとても良い本である。

 

肢別過去問集だけで合格は難しいと私は思っていますが、肢別過去問集を否定しているわけではありません。

 

基礎力をつけるには、とてもよい本だと思います。

 

肢別過去問集を回転させることだけで、だれでも比較的簡単に160点~170点まではいくと思います。

 

ただ合格は難しい(厳しい)と思っているというのが私の経験上の本音です。

 

逆に言うと、過去問に出ていない問題を一定確率で正解にできないと合格できないようになっているのが行政書士試験と言えると思います。

 

記述の採点で合格者調整がされている現状を踏まえると過去問に出ていない問題の正答率をどうするか?が行政書士試験の合否のポイントになっていると思います。

 

170点台で止まって何年も不合格になる人がいる理由も過去問に出ていない問題を一定確率で正解にもっていくことができないためにおきる現象だと私は分析しています。

 

そういう意味では肢別過去問集だけを回転させて合格を狙うというやり方が合理的ではないというのが私の考え方です。

 

つまりは肢別過去問集をひたすら回転しても多くの人は合格しにくく、他の問題集なり参考書も力を入れてやった方がいいと考えています。

 

肢別過去問集の数行の解説で根拠条文・判例を思い浮かべることができるレベルの受験生なら合格可能だと思いますが、そういう方は相当のハイレベルで例外と思ったほうが正しい理解だと思えます。

 

以上、行政書士試験は肢別過去問集だけで合格することができるか?でした。

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