【行政書士開業】開業1年経過で行政書士撤退した人を見つける。~行政書士を辞める理由を想像してみる~
積極的に情報収集していませんが、ついに行政書士を開業して撤退する人を見つけました。
その方は、ちょうど開業して1年経過したところです。
もとから積極的に活動している方ではありませんでしたが、私はその脱力感というかやる気のなさが好きでまあまあウォッチしていました。
多くの人が行政書士を開業すると「キラキラしながら鼻息荒くしてがんばるオーラ」を全開にします。
が、そういうキラキラは私はあまり好きではありません。現実をみているのではなく、希望的観測でキラキラしているだけの場合がほとんどと思っているからです。
※そういう方を否定しているのではなく好みの問題です。
そんなわけで、かなり特殊な脱力感というかやる気のなさを全開にする方をウォッチしていたら、どうやら行政書士を辞めるようです。
理由は、よくわかりませんが、表面にでる脱力感・やる気のなさの裏では、結構もがいていたんだろうなと想像できます。
ある意味、素早く損切りができて、それはそれで英断だと思います。
私自身は行政書士を2023.3月に開業したばかりですが、行政書士はなかなか難しい業種だと感じています。
開業しても辞めてしまう人が多いと思う理由を考えてみたいと思います。
目次
開業しても辞める理由①すぐに稼げない(ことが多い)
一番のメインは行政書士を開業してもすぐに稼げないということと思います。
なかにはすぐに稼ぐことができる人もいると思いますが極一部でしょう。
観察している限りだと資金を十分に用意して開業する人はマレです。開業のために準備した余裕資金は概ね1~2年分の生活費くらいの人が多い印象を受けます。
が、その用意した生活費1~2年分がなくなるまでに、生活できるだけの稼ぎまで持っていける人は少ないように思います。
ゆえに、「これはダメだ。生活できん。」と収入の面で方向転換をせざるを得ないとなる確率が高いように感じます。
現実を直視すればそういう確率が高いことは想像がつきますが、意外に1~2年くらいの貯金で行政書士開業で勝負をかける人が多い印象を受けます。
行政書士を続けられる人は、そもそもの前提を行政書士から収入が少なくても生活が問題なくできるように設計をしている人が多いように私は思っています。
開業しても辞める理由②こうやればいいという開業後のマニュアルがない
開業・独立となれば、こうやればいいみたいマニュアルは当然にありません。
が、行政書士試験に合格する過程で、「合格するために〇〇をすべし」みたいにある意味マニュアルに従うことを強烈に体に沁み込ませてしまう人が多いと思います。
・問題集は〇〇をやる
・動画は〇〇をみる
・模試は〇〇をやる
・勉強時間は〇〇時間すべし
みたいなやつです。
行政書士を開業したら、業務が細分化されるため、原則、このようなマニュアルっぽいものはなくなります。
手探りで進めていかざると得ないことも多いと思いますが、マニュアルに従うことに慣れて行政書士試験の合格を勝ち取った場合は、かなり苦労することになるでしょう。
何をやったらいいか?わからない状態になることが予想されます。
そのうちに資金ショートしていき、撤退するということになるのでは?と思っています。
人によっては、社労士や司法書士、中小企業診断士など他の難関資格取得へ戻る方もいるでしょう。(マニュアルが存在しているため)
開業しても辞める理由③別で稼いだ方がいいんじゃねえ?と気が付く
行政書士の特殊性は、実務経験なしで開業できてしまうことです。(さらに実務経験をできるところがほとんどないこと)
税理士であれば、開業前に2年の実務経験が必要になります。
司法書士・社労士は実務経験は必要がなくても、試験でやる内容が本業の実務知識に直結している率が高いと思われます。
行政書士は、実務にほぼ関係ないことが試験で問われ、かつ実務経験なしで開業可能になっています。
ハッキリわかりやすく言うと、素人状態で開業ができてしまうわけです。(法律の基本的な知識はあるものの「実務的には」と言う意味です。)
ゆえに稼ぐことができるまで時間がかかりやすいと思います。
てっとり早く稼ぎたいと思うのであれば、自分の熟知している得意分野で起業して稼いだ方が早いでしょう。
そのことで気がついて、行政書士ではなく、他のことをやろうと方針転換する人もいると思えます。
※行政書士は試験に合格した後がかなり大変と思える。
行政書士は士業の中では合格しやすい資格と言われています。
そうはいっても合格率10%なので一般的には難関資格です。(あくまで他の士業と比べて)
が、盲点なのが合格後が大変な資格であるということです。「合格後、一定レベルで稼げること」を基準にすると司法書士試験に合格する級に難しいかもしれません。
理由は上記で説明したように、以下2点です。
①試験勉強が実務に関係にないことがほとんど
②実務経験を習得できる場所がない
要は資格に合格していても実務的は素人なわけです。
そのような状態のなかでも、値付けをして販売することが求められます。なかなかハードルが高いことだと思います。
ゆえに開業しても、やっぱり辞めたと撤退する人が続出しても「そうなるだろうな」としか思えません。