【行政書士開業1年目】行政書士試験に合格にしても開業できない人が多い理由と、開業した後はどうする?
↑行政書士開業後の事務所運営方法についてはこういうわかりやすい道しるべはありません。
2023.3.1に行政書士を開業し、2023.5.14現在で約2か月半経過しました。
開業をスタートさせて思うことは、「こうすれば開業後は軌道に乗せることができる」という道しるべが存在しないということです。
私の場合は行政書士を開業する6年前に起業をしているため、そのことが身にしみてわかっています。
が、サラリーマンをずっとしていて独立開業を夢見て行政書士試験を合格した人の多くでは、正直わかりえないでしょう。
ドヤりたいわけではなく、私自身も起業する前はそうだったからです。
特別なわけではなく、単純にこれから開業する人よりは少しだけ早めに経験しただけです。
合格にしても開業できない人が多い理由と、それを打開策する方法をご紹介します。
目次
サラリーマンで原則「敷かれたレールの上」を歩けば良い訓練をされている。
これはサラリーマンをディスっているわけではなく、そういう役割なので良いも悪いもないです。
サラリーマンなのに、自分の考えをもってあれこれ行動されると、それはそれで企業オーナーからすると迷惑だったりします。
ゆえに、原則、サラリーマンなら敷かれたレールの上を脱線せずに歩くことが求めれ、かつそうすることで会社での良いポジションを得ることができます。
この辺の感覚は自分が経営者になると理解できやすくなります。
考えてみると学校生活もそうです。
教科書があり、それを覚え、テストで問われて正解すると成績が上位になります。
つまりは、普通の生活をしていると、敷かれたレールの上を歩くのが「是」と思うようになります。
「こうやってね」というマニュアルがあり、それに従って行動するというのが標準装備として多くの人にインストールされるわけです。
が行政書士開業後に、「こうすれば良いよ!」というマニュアルがありません。
マニュアルが存在しないために不安を払しょくできずに開業に踏み切れない人が一定数いると思えます。
行政書士試験も「合格体験記というマニュアル」がある
行政書士になるための行政書士試験もある意味で合格するためのマニュアルがあります。
合格マニュアルというよりも「合格体験記」といった方が正確かもしれません。
〇〇すれば合格できるよ~みたいな情報がたくさんあります。
情報がありすぎるために、どれを取捨選択すれば良いか?と言う問題はあるものの、「情報がない=合格マニュアルがない」ということはありません。
色々と試行錯誤しながら行政書士試験を戦ってきた人なら良いですが、あまり深く考えずに、誰かしらの具体的な勉強法にしたがって合格した人の場合は開業後に苦労することになるでしょう。
実際に行政書士試験の合格体験記では「〇〇すれば合格する」みたいなものが多いです。
私も合格体験記を書いていますが、多くのものとは一線を画し「自分にとって点数に結びつける勉強法の見つけ方」を売りにしています。
ある意味「勉強法は試行錯誤して自分で見つけろ!参考まで私はこうやった!」がメインのある意味で考えさせる特殊な合格体験記を書いています。
行政書士で開業することを踏まえると、自分で考えさせる勉強法になっていて、開業後にも応用できる有用なものと自負しています。
【行政書士試験】勉強すれども点数がイマイチ伸びない方へ!「正しい方向の勉強をしているか?チェックする方法」のご紹介。
一方で前述のとおり、通常は、合格マニュアルである「合格体験記」に沿った勉強をする人が多いでしょう。
そういう勉強を経て行政書士試験に合格した場合は、同様に開業後の必殺のマニュアルをほしがるでしょう。
が、開業後では〇〇すればおk~みたいなものは私の知る限り存在しません。(もしかしたらあるのかもしれませんが・・)
そのため、開業後の必殺マニュアルを見つけることができずに、開業ができない状態になる人が一定数でてくると思えます。
※行政書士開業の体験記は、その人固有の経験で再現性は低く参考になりにくい
行政書士開業について、マニュアル的なものを求める場合は、本やyoutube、ネットで調べることになるでしょう。
探すと、それっぽいものがいくつもヒットします。
が、正直、あまり参考にならないでしょう。実際に私も探した時期がありましたが意味がないと探すのを辞めました。
下記がそのときに書いた記事です。
他の行政書士さんがどうやって開業したか?の情報収集をしない理由。
他人の行政書士開業体験記が役に立ちにくい理由は、行政書士の業務がありすぎて、同じことをやる人がほぼいないからです。
これは少し考えればわかることです。
行政書士試験なら、行政法・民法・憲法・商法会社法などしか勉強する科目がありません。
もっとざっくりさせれば得点配分的には行政法・民法の勉強法のマニュアルを探せばいいだけです。
が、行政書士の業務は1万種類あると言われています。
もちろん1万種類あるとはいえ、建設業許可であったり、補助金であったり、自動車車庫証明であったり、メインである業務がある程度絞られています。
が、行政書士が扱う業務は都道府県によってやり方が違う場合が存在します。
加えて、その行政書士開業体験の時期もずいぶん前で現在の状況とは違いすぎて参考になりにくいことも起きてきます。
つまりは、変数が多すぎて、一般的に汎用性のあるマニュアルを作成するのが難しいとも言えます。
実際にそこまで汎用性のあるマニュアルを現役でバリバリやっている行政書士さんが作成する必要性もなければ、作成しても、そこまで収益性もないでしょう。
そのため、色々ある本は、その人固有の経験になっている可能性が高く、読み漁っても、たぶんほとんど身にならない可能性が高いと思えます。
対処法:自分のわかる範囲で手探りで少しづつやっていくしかないと思える
というわけで、散々マニュアルに沿って行動することに慣れている場合は、行政書士開業後に相当苦労することが予想されます。
マニュアルがないからです。
時間を経過しても、上記で説明したような行政書士特有の事情があるため、そういうものはでてこないでしょう。
結局は地味ですが、自分で少しづつわかる範囲で手探りでスタートしていくより仕方がないと思います。
慣れるまではイタズラに業務範囲を拡大させずに絞るのも作戦の一つと思えます。
具体例として、2023.5時点の私はかなり業務を絞ってやっています。
車庫証明をメニューしてHPに出していますが、自分の事務所の近くの警察署しか受け付けないようにしています。
これは実際に自分で、大泉警察署で車庫証明を取得した経験があるからです。
エリアを広げても特段問題はないと思いますが、警察署によって取り扱いが違う場合があるとも言われているので、とりあえずは自分の経験した範囲でやろうという作戦です。
実際にやってみたときの記事です。
が、たぶん近々に対象エリアを拡大させる予定です。
建設業許可申請もHP上に掲げていますが、法人以外で知事免許申請に絞っています。
こんな感じで、できる範囲で少しづつ試行錯誤しながらやっていくのが良いと思います。
実際に、HP上にメニューを掲げたりすると、業務をより具体的に深く調べるようになります。
そうすることで、ざっくりとなんとなく実務本や体験記を読むよりも、知識レベルが格段に上がるのが実感できます。
地味ですが、このようにマニュアルがなくても、少しづつ手探りで実際に行動して自分だけのマニュアルを作っていくというのが大事だと思えます。
こういう経験を経て、以前に買った開業の体験記みたい本を読み返すと、「内容の薄さ」にビックリします。
何も知らないで読んだときは、「ほー。そういうもんなんだ。なるほど」と思いガチですが、実際に自分で手を動かすと、ズレた内容であることに気が付いたりします。