【行政書士試験】記述の採点って本当に厳しい採点なのか?~受験生が正確にかけていない確率が高い~
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R5の記述の採点予想は以下でしています。
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行政書士試験の記述は鬼採点(厳しい採点)される場合があると言われています。
合格率を10%前後にするために、択一問題が簡単だった場合は、採点を厳しくするというものです。
逆もしかり、択一が難しかった場合は、採点が甘くなると言われています。
おそらくその通りでしょう。合格者がおおむね毎年5000人前後になっていることがその事実を裏付けるものになりえるでしょう。
出典:TAC:行政書士試験の合格率はどれくらい?
合格者が4000人くらいになると翌年の合格者は6000人くらいになる傾向です。
合格者推移は、2014年で4043人であった翌年2015年は5820人、その翌年2016年になると4084人、その翌年2017年になると6360人というように、平均5000人なるように難易度を調整していると思えます。
その調整をするのが「記述の採点」と考えて、ほぼ間違いないでしょう。
そうでなければ、こんなにキレイに合格者が5000人前後になるようなことはないと思えます。
だからといって、正解のものを無理に不正解にしているか?というとそうでないように思えます。
採点を鬼採点(厳しい採点)と考えてしまうのは、受験生が条文・判例を正確に書くことの理解がないことが原因と思っています。
※あくまで私はそう思っているという私見です。
目次
※私の自己採点と本試験の記述点数の差は「2点」でニアピンだった
実際に私が合格したR3の記述はj自己採点28点本命の「20点~28点」を予想していました。
詳しいことは下記で書いています。
令和3年の行政書士試験の記述でどう書いたか?自己採点と実際の点数に差はあったか?
実際の本試験の点数は26点でした。私との差は2点でした。
私の受験したR3は記述の採点は厳しいと言われていましたが、それでも誤差は2点でした。
超厳しい採点だったら、10点という予想まで最悪していましたが、実際は26点でした。詳しくは上記で書いていますので気になる方は参照ください。
※ちなみに予備校の採点サービスは利用してません。
記述の採点が厳しいと考える人が多い理由:予備校の採点が激甘
受験生が本試験の記述の採点が厳しいと感じる理由の一つは予備校の記述の採点が甘いことにあると思っています。
模試を受けた人なら、感じると思いますが、予備校の模試の記述採点は激甘です。
なぜそうしているのか?意図が読めませんが、多くの受験生の自己採点よりも上振れた点数になっているケースが散見されます。
それを基準にして、記述の採点を考えれば、本試験の記述の採点は鬼採点(厳しい)と思って当然でしょう。
本試験後の記述採点サービスも同様です。激甘とまではいきませんが、甘めにつけているでしょう。
それゆえに受験生が勘違いしやすいわけです。
予備校は記述採点サービスで受験生のデータを集めるのが目的です。そのためには、厳しい採点していては、おそれて申し込まない人がいるでしょう。
かつ低い点数を予備校がして、もし本試験の点数の方が高ければ、結果発表後、予備校のことを文句言うネガティブキャンペーンをするリスクもあります。
それを考えると、点数をあえて高めにだしているのだと想像することはできます。
がそれによって、一部の受験生が勘違いをすると思われます。
記述40点~50点予想で、実際は10点~20点の答案をみると・・・
実際に予備校の採点で40点~50点とされているのに、実際の本試験で10点~20点だった答案を実際に見ていると、「微妙に違く、低い点数に納得できる」となっていることがほとんどです。(※私見です)
書いてある文字・内容は概ね正しいことが書いています。が、細かくみると微妙にズレていているという印象を受けます。
「誰が」「誰に対して」「何を」「どうする」が微妙にズレているように思えます。加えて指示に従わないケースもあるように思えます。
具体的に以下です。
・「誰が」「誰に対して」をどちらかを書いていない
「誰が」「誰に対して」のどちらかを書いていないだけの場合は、文章としてはかなり正確に書けています。
が法律を適用する際に、「誰に対して」適用できるのか?「誰が」主張できるのか?は非常に重要な要素です。
原告適格・被告適格という考えもあれば、利害関係者でなければ原則法律は適用できません。
そのため、厳しく採点すれば、「誰が」「誰に対して」がないことによって、場合によっては大幅減点を食らってもしょうがないと思います。
一方で書いた受験生からすれば、ほぼ正確に書けているのに「なんで?」となるでしょう。気持ちも十分わかります。
・「どうする?」も正確にかけていない。
R3の行政法の記述で「中止の求め」が問われました。
ある記述の内容で、「~~に対して中止その他の措置ができる」というほぼ正解の回答で大幅減点されていた回答がありました。一見すると20点満点をとれそうに思います。
が、大幅減点された結果から逆算して分析すると、たしかに減点されても仕方ないのでは?思えなくもありません。
あくまで私の予想ですが以下だと思えます。
この条文は「中止の求め」です。中止その他の措置を求めることができるが正しくは正解です。
条文タイトルも「行政指導の中止等の求め」となっています。
出典:e-GOV
細かいかもしれませんが、「中止その他の措置ができる」と「中止その他の措置を求めることができる」では違うでしょう。
受験生の立場からすれば、「ここまで書けていれば20点でいいじゃん!」と思います。
が採点者の立場で細かく見ると「大事なところを間違えて覚えてるやん!」と減点されても仕方がないようにも思えます。
・問題文の指示に従ないケース
R3の民法の記述では債権の譲渡禁止の問題で、「本件代金債権」という言葉を使って説明せよ!という指示がありました。
にもかからず、見落として、記述を書いた場合には、それ以外を正確に書いても「大幅減点もしくは0点」にされても文句は言えません。
受験生の立場からすれば、「勘弁してよ~!」となると思いますが、採点する側としては、あきらかに点数を調整をするために仕掛けた罠でしょう。
同じくR3の民法では工作物責任の問題ですが、同様に「場合分けして答えよ!」という指示がありました。
これも同様に、ある程度、正確に条文を書けたとしても場合分けをしていなければ0点になっても文句は言えないでしょう。
※シンドイが正確に条文・判例を覚えないと点数にならない
受験生の立場だと、条文・判例を概ね覚えて、キーワードが書けていて、それっぽい内容になっていれば正解にしてよ~と思います。
が、上記に例示したみたいに、抑えるべきポイントを抑えずに、それっぽいことを書いても点数にならないように思えます。
それは法律は人に大きな影響を及ぼすものであるために、なんとなく雰囲気であてはめるのではなく、正確に当てはめる必要があるからと思えます。
むしろ正確にあてはめないと大変なことになります。法律の性質を考えれば、受験生にはシンドイですが、正確に覚えることをしないといけないように思います。
加えて、記述は採点において合格者調整に使われているという事実を理解せねばなりません。
合格者調整に使われているのに、正確に書かずに、ツッコミポイントを残した回答をして場合は、減点されるリスクが高くなってもある意味しかたがないように思います。
ゆえに、正確に条文・判例を覚える努力をした人と、なんとなく言わんとしていることが伝えわればいいっしょ!で勉強する人とでは、本試験の記述で大きな差になってしまう可能性があります。
模試では予備校の採点は激甘なので、差が付きにくいですが本試験ではモロにその実力差が露呈することになるでしょう。
勉強する受験生はシンドイですが、合格するために、何とか条文・判例を正確に書くという意識してやっていきたいものです。