令和3年の行政書士試験の記述でどう書いたか?自己採点と実際の点数に差はあったか?
R5の記述の採点予想は以下でしています。
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行政書士試験は例年、記述の点数で合格者を調整していると言われています。
毎年10%前後の合格率にするために、択一での平均点が高くなり、このままいくと合格者が10%を大幅に超えるようなことになると、記述の採点を厳しくするという流れです。
逆もしかりで、択一問題が難しく、例年よりも平均点が低くなるようであれば、記述の採点を甘くなると言われています。
実際にそうしているか?どうか?はわかりませんが、一般的にそのように言われています。
私の印象だと、普通にまっとうに採点がされており、過度な調整はされていないと思います。(多少の調整はされていると思えます)
実際に令和3年の行政書士試験で私が書いた回答とそのときに予想した自己採点予想と実際の点数を比較してみます。
その前に、記述で過度に点数が調整されていると誤解する人が多い私なりの理由をご紹介します。
記述で過度に点数が調整されると誤解する人が多い理由
そもそもが行政書士試験において、受験生は記述を軽視する傾向があります。
多くの受験生が記述抜きで択一だけで180点以上(合格点)を目指します。
表向きな理由は、上記で書いたように記述は採点基準が曖昧で水ものだから、記述の採点にかかわらず択一だけで合格点を狙うというものです。
が、おそらく本当の理由は、「記述を覚えるのがめんどくさい」です。
択一なら、細かいことを覚えていなくても雰囲気で「〇」か「×」を選ぶことが可能です。そして50%の確率で正解します。
択一を回答するためには、記述みたいにキーワードを覚える必要がありません。難しい漢字の法律用語も書けるように練習する必要もありません。
そういう考えの人の場合、記述を明確な採点基準をもって採点することをしていない可能性が高いです。
つまりは、キーワード、キーフレーズを書けば点数が入ると考えずに、なんとなく言わんとしていることを書けば正解になるだろう、もしくは部分点くらいは入るだろうと思うはずです。
これが、本人はわかっているつもりで正解もしくは部分点と考えるものに、本試験では0点になる場合の代表例だと思えます。
キーワード、キーフレーズを書けば点数が入るという採点基準に基づいて、記述の点数を計算すると、概ね同じような点数になり、大きな誤差にならないというのが私の経験です。
実際に令和3年での行政書士試験の記述で書いた回答をご紹介します。
令和3年での行政書士試験の記述で書いた回答
下記は、R3年の試験後から実際に合格発表されるまでに、別のブログで書いていた実際に本試験の記述の問44~問46で書いたものと、それを一定の基準によって、自己採点している記事内容です。
具体的に書いた記述の回答をTACの採点基準の解説をもとに予想。
問44の回答
行政指導に該当し、文部科学大臣に対し、A大学が受けた勧告の中止を求めることができる。
・行政指導というキーワード(4点配点中4点と予想)
・文部科学大臣というキーワード(4点配点中4点と予想)文部科学省が正解っぽい・勧告の中止を求めることができるというキーワード(12点配点中6点予想)その他必要な措置が書けていないので、減点6点
となり
14点10点くらいは入るのでないか?と個人的に予想。
問45の回答
Cが本件代金債権が第三者への譲渡を禁止することが約されていたことに悪意重過失であった場合
・本件代金債権の記述し0点リスクは回避(問題文に記述しろと書いてあるのでこれがないと最悪0になるのではと予想)
・譲渡禁止が約されているが記述(8点配点中8点)(条文だと譲渡禁止の意思表示が必要だが、譲渡禁止が約されているでもいいらしい)
・悪意重過失(12点配点中6点)(悪意「または」重過失のまたはの記述がないので6点減点と予想)
となり14点くらい入っているのではないか?と個人的には予想。
が控えめに見積もって、10点は固いだろうと予想するが、採点が超厳しめにされれば、譲渡禁止の意志表示の記述なし、かつ悪意重過失の扱いがなんともいえないので最悪0点もあるとも考えられる。
問46の回答
Bが外壁設置管理の瑕疵に過失がない場合はA、Bの過失がある場合はBが損害賠償責任を負う
過失ではないことがわかっていたが、他に適当な文言が思い浮かばなかったので部分点狙いで、過失でいいやと選択する。
場合分けをせよとの、文言に引っ張られ、「過失がある場合、過失がない場合」で回答を書き上げるミス。
微妙に以下のキーポイントを外していると思えるので0点予想。
・基本Bが責任を負う
・損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときAが責任を負う
普通に採点されれば20点~30点はあると思えるが、いかんせん調整に使われるのなんともいえない。
問45がギリ10点は取れるかどうかである。大臣・省どっちか問題で合格できるかどうかは微妙なラインになってきた( ;∀;)
以上は、実際の点数が発表される前に考えていた私の自己採点です。
R3の行政書士試験では問44の記述の行政指導の対象先が「文部科学大臣」か「文部科学省」かで見方が割れていました。
大手予備校は4社中3社は「文部科学省」が正解と解説していました。
実際の試験センターが発表した正解例は「文部科学大臣」でした。
それをうけて超厳しめ採点になった時は不合格もありうると、かなり焦りましたが、私が自己採点で予想した記述の点数は上の書いた通りですが、まとめると
問44 10点(大臣が正解なら14点)
問45 14点(厳しい採点なら10点)
問46 0
予想20点~28点、本命28点(問44で大臣が正解の場合)
超厳しめなら10点(問44で大臣が不正解の場合)
20点~28点という予想をしています。大臣が正解だった場合に本命の点数は28点です。
超厳しめに採点された場合は問45が0点になることを視野にいれ、かつ問44が大臣が不正解で省が正解の場合は10点を予想していました。
実際の試験センターの点数はどうなったか?というと以下です。
本試験の記述の点数は26点
採点が厳しめになった場合も含めた私の範囲での予想が20点~28点で、本命28点でした。(超厳しめは10点)
実際の試験センターの点数は26点でした。
誤差は2点でした。
超厳しめの10点まで最悪ケースを考えましたが、そんなことにはなりませんでした。
たぶん、記述を適当に雰囲気で勉強している人なら、私の回答で40点くらいの予想を考える人もいるんではないか?と思えます。
具体的には、私が0点採点した問46が6~10点はあってもいいのではないか?と思う可能性が高いと思います。
場合分けの条件が間違っているものの、原則Bで、場合によってAということは書けているとも思えなくもないからです。
が、通常、原則Bで場合によってはAが負担というのは超基本問題で誰でも正解になるレベルです。
その程度のことに点数が付くわけがないし、仮にこれに点数がついたら合格率が跳ね上がるだろうことは、予想できます。
ゆえに問46は、正確に書かないと点数にならないであろうことは想定できるわけです。(だから私は0点予想にしています)
つまりは、記述がキーワードとキーフレーズに基づいて採点されるということを普段の記述の練習からしておけば、概ね想定通りの点数になる可能性が高いわけです。
記述で合格者の調整はされると思いますが、想定の範囲内で、過度な調整はされていないというのが私の経験した感想です。