一人法人の社長でもある川島和秀の日々の活動記録です。

【行政書士開業1年目】現時点で私が思う行政書士開業後どうなるか?の類型(2023.9現在)

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行政書士は人気がある資格に思います。

 

その理由は独立開業でき、かつ他の士業に比べると合格するだけなら難易度も高くないためです。(実際に私もそう思っていました。)

 

人生100年時代と言われ、不安定な社会情勢で65歳で退職しても、まだまだ元気やん!働ける!と思う方や、私のように40歳前後になって、サラリーマンを辞めて自分で独立開業したいという人に人気と思います。

 

それより、もっと若い方なら、通常は行政書士ではなく自分の得意分野で起業をする方向を選ぶように思います。

 

私の観察している限りだと、行政書士を目指す人はバリバリで開業して稼ごうという人よりも、将来のために一応資格をとっておこうというスタンスの人が多い印象です。

 

それゆえに、合格しても開業しない(できない)人もかなりいます。(ざっくり50%は開業しない)

 

たまに20歳~30歳の人で行政書士になった方を見かけますが、開業して生活ができるレベルに到達している比率が高いように思います。

 

ざっくり、開業1年目で観察しているかぎりで行政書士試験に合格して開業した人がその後1年でどうなっているか?をご紹介します。

 

前提として開業する人は少ない(合格者の50%くらい)

 

行政書士試験の合格者は毎年、約5000人前後です。

 

出典:https://gyosei-shiken.or.jp/pdf/trans.pdf

 

そのうちのどれくらいが開業にするのでしょうか?

 

総務書のデータを一部抜粋するとR3の新規登録者が2687人のようです。ざっくり合格者の50%です。

 

出典:https://www.soumu.go.jp/main_content/000869336.pdf

 

もちろん、合格者の50%が登録するというわけでありません。もっと前に合格して、たまたま登録がR3になった人もいるでしょう。

 

が、ザックリのイメージとしては、合格者の半分くらいが行政書士登録をすると捉えてもいいと思えます。

 

そしてこれ以降がデータに基づかず完全に私の感想というかツイッターなどのSNSを観察をして思った分析になりますので、話半分で読んでください。

 

開業したうちの70%は開業したものの開店休業状態(※私の勝手なイメージ)

 

そもそもが行政書士試験の合格者が年5000人で、そのうちの約50%の2500人が実際に開業をすることは前述したとおりです。(※ざっくりのイメージで)

 

私の体感だと、その開業した2500人のうち約70%の1800人くらいは、開業したのはいいもの・・と開店休業状態になっているように思えます。(私もそのうちの一人です)

 

というのも、この開業した人の約70%が開店休業状態になるのは極めて当然というか妥当です。

 

これは行政書士の特殊性にあります。

 

行政書士試験の内容と実務が乖離しているために、行政書士試験に合格できても実務が何もできないので、仕事の受注のしようがないわけです。

【合格後1年経過の感想】行政書士試験は合格しただけでは、ちょっとだけ法律に詳しい実務のド素人。

 

どこかで実務を勉強したいと思っても、市場規模の小ささからバイトを常時雇えるような行政書士事務所は極めて少なく、実務経験も積みようがありません。

行政書士試験合格者が行政書士事務所のアルバイト・補助者に採用されにくい理由はおそらく・・。

 

ゆえに、何をどうしていいのやらが不明で開業しても仕事を受注できない場合はほとんどと思います。

 

かつ、そもそもで仕事の受注も難しいです。実務経験0で開業した人のところに、おいそれと仕事が来るわけがありません。

 

①実務知識がない・不十分だから、仕事が受注できない(受注するのが怖い)

②仕事が受注できないから、実務経験が積めない

③実務経験がない人に仕事は来ない

 

つまり①~③のループで、開業したはいいものの、何もできないケースになる人が多いと思えます。

 

この状態を乗り越えて、仕事が受注できる30%の人はどういう人か?を私なりに分析しています。

 

仕事が受注できる30%の人とは?(合格者の15%)

 

仕事が受注できる30%というのは開業した50%のうちの30%なので、合格者の15%に相当します。かなりの狭き門です。

 

たぶん仕事が受注できる人は、行政書士で生活していくという覚悟をしている人と思います。

 

「覚悟」という精神論だと、拍子抜けするかもしれませんが、これは行政書士試験を目指す動機を逆算して考えると見えてきます。

 

冒頭で書いたように、行政書士試験は、40歳以上の人や退職を控える人が将来のために一応資格をとっておこうというスタンスの人が多い推定が働きます。

 

いわば行政書士で生活していこうという「覚悟」を持ち合わせていないと思われます。「行政書士でも遊び金くらい稼げたらいいなあ」くらいの人が多いはずです。

 

そんな人が、ガムシャラに営業をして仕事を受注しようとは思わないはずです。(私もそのうちの1人ですが)

 

一方で仕事が受注できている30%の人をみると、かなり必死に見えます。

 

飛び込み営業や知り合いにあいさつ回りをしたり、時には生活費を稼ぐため役所が閉まった後にもできるアルバイトをやったりしています。

 

そういう泥くさいことをやって、1年~2年と経過していくと、ソコソコ生活できるレベルになってくるように感じます。

 

実務経験0で仕事を受注しようとしているため、リアル営業なら、それでも依頼いただけるようなゴリゴリの営業が必要になるでしょう。

 

ネットで営業をするなら、客観的に「この人は知っていると思われる」くらいの充実したHPの作成が必要になるでしょう。簡単には上位表示されないでしょう。

 

というわけで相当の「覚悟」が必要に思えます。

 

将来のためにとっておくか!くらいのスタンスの人では、無理でしょう。と思います。

 

さらに残酷な事実は、その狭き門をかいくぐった15%の人も、満足いくほど稼げていないと思われることです。

 

その辺は以下で書いています。

「行政書士は食えない」は、あながち間違っていないと思える。

 

まとめ:開業しても高確率で仕事が受注できないで終わる

 

悲しい現実ですが、現実を直視すると以上で説明したなんとも残酷な結果が見えてきます。

 

もちろん全員がそうなると言っているわけでありません。

 

かつ、あくまで2023.9時点でのある意味での私の想像です。実際の現実とは違うかもしれません。(でもたぶん合っていると思っています)

 

が、それをもってお先まっくらですよ!と言いたいわけではありません。

 

行政書士開業に対して過度に期待を寄せるわけでもなく、冷静に市場を分析して、それを前提にして自分の特性に合わせて勝負をすればいいと思います。

 

ただ安易に行政書士を開業すれば人生が変わる!と思ってしまうと開業した後に「思っていたのと違う!」となるかもしれません。

 

開業してうまく行かなった系の人は、おそらく、私の説明をしたような状況だったと思えます。

 

行政書士開業後の類型は以下だと思っています。

 

前提で合格者は受験生の約10%で、かつ合格者のうち開業するのは50%です。

 

その開業に至った50%の中で以下のようになっていると私は推察しています。

 

・開業したうちの70%は開店休業状態(一部、廃業へ)

・残り30%は生活できるレベルで稼げる

・年収1000万以上と思える水準に到達する人は3%未満

 

自分が開業しているからという色眼鏡なしに、冷静かつ客観的に判断すると上記ではないか?と私は思っています。(※あくまで2023.9時点)

 

私の観察するかぎり、行政書士で開業して得られるメリットは、金銭的なものよりも、士業という社会的地位および自営業なので比較的自由ということであるように思えます。

 

金銭を稼ぐ目的があれば、おそらく他の事業をやった方が良いと思えます。無理でないと思いますが、行政書士で相応に稼ぐのは難易度が高いと思えます。

 

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